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宇佐美と宇佐見

宇佐美と宇佐見

私が嫌うことのひとつに「自分の名前の漢字表記を間違えられること」があります。特に「名字」の方。私の名字は「宇佐」なのですが、自宅や会社に届いた年賀状や郵便物には、必ずと言っていいほど「宇佐」と書かれたものが見つかります。

私以外の「宇佐美」さんもおそらく同様の経験をしているのではないでしょうか。しかし、なぜ「宇佐見」と書く人がこれほどまでに多いのか、極めてナゾなのです。

宇佐美姓の由来をたどれば、ウィキペディアによると、「伊豆国賀茂郡宇佐美荘(現・静岡県伊東市)発祥の姓。 工藤祐継の子・祐茂が、宇佐美荘に住み宇佐美氏を称したことに始まる。宇佐見氏とも」とあります。一般的な姓氏に関する書物を見てもほぼ同じ見解です。

つまり、静岡県伊東市にある、「宇佐美」という地名が発祥。JR東日本伊東線には「宇佐美駅」があり、周辺には宇佐美海水浴場、宇佐美温泉もあります。そう考えれば、はっきり言って「宇佐美」が本流で、「宇佐見」は傍流、亜流といえます。

日本の名字(苗字)の99%を網羅する検索No.1の姓氏情報の総合サイト「名字由来net」によると、宇佐美は全国に3万人おり、名字ランキングは650位。これに対して宇佐見は約8600人にすぎず、ランキングも1806位。圧倒的に「宇佐美」の方が多い。

それぞれの姓を名乗る著名人を見ても、その差は歴然としています。まず「宇佐美」姓の著名人を列挙してみましょう。

宇佐美姓の著名人
  • 宇佐美定満(戦国武将・上杉謙信の軍師とされる)
  • 宇佐美洵(第21代日銀総裁)
  • 宇佐美毅(第2代宮内庁長官)
  • 宇佐美登(元衆院議員)
  • 宇佐美彰朗(元マラソン選手)
  • 宇佐美貴史(元サッカー日本代表)
  • 宇佐美大輔(元バレーボール日本代表)
  • 宇佐美塁大(元プロ野球選手)
  • 宇佐美里香(空手家)
  • 宇佐美吉啓(EXILEのUSA)
  • 宇佐美佑果(元テレビ朝日アナウンサー)
  • 宇佐美徹也(スポーツライター)
  • 宇佐美恭一郎(YouTuber)

これ以外にも非常に有名な、全国区のガソリンスタンド「宇佐美」がありますよね。あと、元プロ野球選手の牧谷宇佐美は、姓ではなく名前が「宇佐美」という珍しい例ですね。由来はわかりません。

一方、「宇佐見」姓を見てみます。

宇佐見姓の著名人
  • 宇佐見真吾(プロ野球選手)
  • 宇佐見りん(作家、芥川賞受賞)

これぐらいしか見つかりませんでした。表現は悪いのですが、著名人というには微妙な気が…。小粒感が漂っています(失礼!)。いずれも、よほどの通でないとわからないのではないでしょうか。

架空の人物ですけど、テレビ朝日系ドラマ「科捜研の女」に登場する風間トオル演じる京都府警科学捜査研究所研究員(化学担当)の宇佐見裕也の方が有名かもしれませんね。テレビを付けていて沢口靖子が発する「ウサミさん!」のセリフを聞くと、なぜか心地よくなってしまう自分がいます(笑)。「宇佐美」だったらよかったのになぁ。それにしても、なぜ「宇佐見」にしたんでしょう。

あとは中村春菊の漫画「純情ロマンチカ」の主人公が宇佐見秋彦。こちらはカタカナで書けば、私とまったく同じ音になります。

こうやって見ると、普通の感覚なら「ウサミ」と言えば、「宇佐美」になると思うのですが…。

間違えるとすれば、その人の周囲に別の「ウサミ」さんがいて、その人が「宇佐見」だから…ということぐらいしか間違える要因が思い浮かびません。

ちなみに、自分の周囲を振り返ってみると、高校の同学年に「宇佐美」さんがいました。会社に入ってからは同業他社であるスポーツ報知に「宇佐美」君が、芸能プロダクションの広報担当に「宇佐美」さんが、テレビ局の番組宣伝部に「宇佐見」さんがいましたた。やはり3対1で「宇佐美」が優勢です。

参考までに、「ウサミ」という発音の名字は、他に「宇佐神」「宇参」「右左美」「右左見」「有佐見」があるようです。かつて「宇沙美ゆかり」というアイドルタレントがいましたが、これは芸名で、「宇沙美」は実在しない姓。なお、私のパソコンで「うさみ」と打って変換すると、「卯佐美」というのが出て来るのですが、これまた謎であります。

余談ですが、名前の方は、彰彦の「彰」の部首が「彡(さんづくり)」のため、影彦と書かれることがまれにありました(泣)。

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